日本人における低用量喫煙と死亡のリスク

死因別の分析では、非喫煙者と比べて、男性では1日あたり喫煙本数が1〜2本で喫煙関連がん*による死亡リスクが1.50倍、循環器疾患による死亡リスクが1.42倍と高くなりました。さらに、1日あたり喫煙本数が3〜5本では、全がん、喫煙関連がん、循環器疾患、肺がんによる死亡リスクが高く、1日あたり喫煙本数が1〜5本では虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡リスクが高くなりました。女性では、非喫煙者と比べて、1日あたり喫煙本数が3〜5本では喫煙関連がんによる死亡リスクが1.43倍、循環器疾患による死亡リスクが1.74倍、全がんによる死亡リスクが1.33倍高くなりました。さらに、1日あたり喫煙本数が1〜5本で肺がん、虚血性心疾患、くも膜下出血、呼吸器疾患による死亡リスクが高くなりました。

*口腔、鼻咽頭、副鼻腔、喉、肺、食道、胃、膵臓、大腸、肝臓、腎臓、尿管、膀胱、子宮頸部のがん

 

また、男女ともに非喫煙者と比べると過去喫煙者では全死亡リスクが高くなりましたが、過去喫煙者の中でも禁煙年齢が早いほど全死亡リスクが低くなる傾向がみられました(図2)。この傾向は低用量喫煙者でも同様の結果となりました。

 

この研究結果から、日本人において、1日あたり1〜2本の低用量喫煙であっても非喫煙者と比べると死亡リスクは高く、また低用量喫煙者であっても、早く禁煙するほど死亡のリスクが軽減することが示されました。日本では加熱式たばこ市場が拡大していますが、加熱式たばこと紙巻たばこの二重使用者においては、低用量喫煙者と同様に死亡リスクが高い可能性が考えられます。喫煙本数に関わらず禁煙することが最良の選択であると考えられます。

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