急にタバコをやめるとどうなる?

「タバコ離脱」は、数週間以上にわたってタバコを使用していた人が、急にタバコをやめたり、減らしたりした時に生じる不快な症状です。例えば、怒りっぽくなったり、不安になったり、物事に集中できなくなったりします。抑うつ気分や不眠に陥る人もいます。甘い物が欲しくなるほか、便秘、めまい、悪夢、嘔気、喉の痛みなどが生じる場合もあります。 典型的には、禁煙後の数日間は、心拍が1分間あたり5〜12回減少し、禁煙から1年がたつと体重が2〜3kgくらい増加します。

 

経 過

2日以上禁煙した人の約50%がタバコ離脱を認めると考えられています。特に不安感、易怒性、集中困難はよく見られる症状です。気分の落ち込みと不安はまれです。

 

原 因

離脱症状の大部分は、タバコに含まれるニコチンが体内から喪失することが原因です。通常のタバコからニコチン量の低いタバコに切り替える時にも、軽度の離脱症状が生じることがあります。 ほか、以下の要因が考えられます。

 

気質要因:
抑うつ障害群、双極性障害、不安症群、注意欠如・多動症、他の物質使用障害を持っている喫煙者は、より重篤な離脱を認めます。

 

遺伝要因と生理学的要因:
離脱症状の出現に、何らかの遺伝子型が関連している可能性があります。

 

治 療

離脱症状の記録:
症状の内容、程度、乗り越えるために行動したことなどをノートに記録し、自分の状態を客観的に把握するように努めましょう。

 

禁煙補助剤:
医師の指導のもと、ニコチンガムなどの禁煙補助剤を使いながら、段階的にニコチン依存から抜け出す方法です。

 

タバコを求める気持ちのコントロール

タバコを使用したくなる状況や環境をつきとめ、それらを避けるようにします。離脱症状がつらく、喫煙を再開したくなった時にとる行動(例:深呼吸、飲み物を飲む、音楽を聴く)などを決めて、実践することも有効です。

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